Xserver VPSについて調べてみると、いくつかのブログの記事が出てきます。
しかし、多くの場合は公式サイトの情報+α(口コミなど)をそのまま載せてるだけで、
実際に自分が知りたいベンチマークなどの情報はないのが現状でした。
※Xserver VPSは無料のお試し期間がない。
そこで、実際に自分で契約して自分が知りたかったCPUやメモリ、I/O周りのベンチマークをしてみました。
ベンチマーク用のツールはいくつかありますが、
今回はaptなどパッケージ管理ツールで気軽にインストールできるsysbenchやfioを利用しました。
また、ベンチマークしたプランは、一番下の「プラン 2GB」で、
このプランはメモリが2GB、CPUが3コア、SSDが50GBとなります。
OSはUbuntu 22.04をインストールしています。
CPUのベンチマーク結果
ベンチマーク実行時のコマンドは「sysbench –test=cpu –num-threads=スレッド数 run」です。
※testとnumの前は-が2個です。
早速、CPUのベンチマーク結果を共有します。
1スレッドで実行した際は4161.27 events/secで、
スレッドを増やすと上記も上がっていきますが、
3コアということもあるのか、頭うちになり約12,000 events/sec台となりました。
Xserver VPS の公式サイトによると、1秒あたりのリクエスト処理数が4,105.21だったと書かれているので、
自己ベンチマークも間違ってなさそうです。
※公式サイトでも、CPUの数値はsysbenchの結果と書かれています。
メモリのベンチマーク結果
次にメモリのベンチマーク結果です。
こちらは私が知る限り公式サイトには書かれていません。
ベンチマーク実行時のコマンドは「sysbench –test=memory –num-threads=スレッド数 run」です。
1スレッドの時だけ、6,000 MiB/sec台が出ましたが、
スレッドを増やすと、4,000MiB/sec台となりました。
I/Oのベンチマーク結果
最後にI/Oのベンチマーク結果です。
SSD上にファイルを書き出したり、それを読み込んだりします。
まず、最初のI/Oのベンチマークは事前に4GBのファイル(ブロックサイズは16KB)を生成し、
その後ランダムにReadとWriteを繰り返し行うテストをしています。
Readが52.81 MiB/s
Writeが35.21 MiB/s
と出てきます。
ちなみに、Xserver VPS
の公式サイトでは、
Readが670.92MB/s
Writeが655.52MB/s
と書かれております。
公式サイトでは試験条件を「ブロックサイズ4KB・合計2GB」と書かれており、
今回実施したベンチマークとブロックサイズが異なります。
また、公式サイトでは利用したツールがどれかがわかりません。
そのため今回のベンチマーク結果と公式サイトの数値は直接比較はできません。
そこで、sysbenchではなくfioというツールでもI/Oのベンチマークをしていました。
オプションなどは、こちらを参考に、以下の通りにしました。
Readテスト:「fio -filename=/tmp/test2g -direct=1 -rw=randwrite -bs=4k -size=2G -numjobs=64 -runtime=10 -group_reporting -name=read-test」
Writeテスト:「fio -filename=/tmp/test2g -direct=1 -rw=randwrite -bs=4k -size=2G -numjobs=64 -runtime=10 -group_reporting -name=write-test」
Readが637 MiB/s(668 MB/s)、
Writeが600 MiB/s(629 MB/s)、
とほぼXserver VPS
公式サイトと同じような数値が出てきました。
最後に
実際にXserver VPS を契約してベンチマークをしてみました。
レンタルサーバーやVPS、クラウドのスペックはコア数やメモリの表面的な数値でよく比較されます。
しかし、それだけでは実際の性能比較にはならない(例えば、コア数2よりコア数3の方が必ずいいとは限らない)のでご注意ください。
なお、契約時期やサーバー、ベンチマークのツールや仕方によって結果は変わる可能性がありますので、一つの参考程度にお考えください。
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